☆★キャブレター的なぁ~☆★PWK28?
今現在、3VRの車両依頼車両を請け負っておりますが、依頼主さんから特に問題無く使用出来ておりますが、今回OKO30からPWK28に変更して頂きたいとの事でしたので、今回依頼主さんのストックキャブを持ち込んで頂きましたが、私が一目キャブの外観だけで違和感を感じる箇所があるキャブかと思いました。
依頼主さんにもどの辺が違和感が感じる箇所か詳しく説明致しました
ぱっと見KEIHINの刻印も有り、正規品に一見思われるかと思いますが(依頼主さんもこのキャブをオクで正規品として入手したみたいです)、色々なPWK28を所有して来た方なら一目で正規品でない事が理解出来るかと思います
まず反対側にもKEIHIN刻印が有る物の、その下に余白が有りますが、正規品はここにシリアルナンバーが打たれております(29SAなどの刻印8桁)
厳密にKEIHINの刻印部分が若干字が小さく、字体もチョイと違和感を感じます
打たれていない物は正規品でないのですが、某純正に採用していたPWK28は刻印が無い物があり、ですが別の箇所(スロットルバルブの外ボディー部分にあります)打たれておりますのでこれは正規品です
後はフロートチャンバーに「MOTORCYCLE RECE USE ONLY KEIHIN」のシールが張られておれば間違いなしに正規品です(中古で入手した場合は剥がれ落ちてる物もございますが、フロートチャンバー内にPWKの刻印が打たれておりますので、ここでも正規品と判別出来ます
アイドルスクリューですが鉄スクリュー仕様ですので、正規品のPWK28(RR等の旧タイプ)のキャブの場合、まずアイドルスクリューの位置がキャブを正面として右側に設置されているのがデフォで、現行のPWK28(MⅡ)はアイドルスクリュー仕様が樹脂タイプに変更され(旧タイプの鉄スクリューは流用不可)MⅡは左側にはメクラボルトが装着されており、左右どちらにもアイドルスクリューを変更出来る仕様です(出荷時も左側にアイドルスクリューが取り付けてあります
因みに樹脂タイプに変更になった初期物は、右側アイドルスクリュー仕様で、左側にはタップは切っていない仕様となります
ですので、まずアイドルスクリューが鉄スクリュー仕様に関わらず、左側に設置されてる時点でまず正規品で仕様設定はまず有り得なく、OKOの設定と同様となります
鉄スクリュー仕様の旧タイプのPWK28は写真で見難いかと思いますが、このキャブはオイルニップル加工して有りますが、(目視した感じでは、自作で追加加工したのではなく、製造時加工されたの物と思われます)ニップル自体は取外されておりますが、オイルニップルが正規品で標準で装備されたのは、樹脂タイプのアイドルスクリューに変更になったと同時に標準装備になっていた事からも、このキャブはつじつまが合わないのが理解できます
キャブトップはBトップ仕様になっておりますが、コピー品などではこの仕様はないかと思いますので、ここは前オーナーが、ご自分の仕様に合わせる為、正規品のBトップに変更したと思われます(ここだけやけに綺麗でしたので)
そして全バラ致しました
バラシて行く段階で、かなり雑な作りをしてるのが見えてきました(汗
有る意味、OKOキャブの方全然作りは良いです
フロートチャンバー内は無刻印でOKO同様の使用なのが判りました(OKOキャブの中には数字が打たれてる物も有ったりします)
カッタウェイの番数刻印も無ないですので(京浜製は番数、マークも有り)正規品でない事が一目瞭然です
そしてニードルジェットホルダーは正規品の物と違い、タイホンダ車両に使用されているPE24キャブ等と同等品のみの物や、先ほど↑で説明した某純正車両に使用されているPWK28もこの仕様で、OKOでもこの仕様の物が存在します
メインジェットも京浜6角ではなく、京浜丸型/大仕様です
スロージェットはPWK、OKO等の物と同様の物です
ジェットブロックの違いは、まず取り付けの為に使用しているボルトが、写真ではプラスですので正規品で無いのは間違いないです
OKOは同様にプラスですが、マイナスも兼用出来るボルトですが、正規品はヘックスローブ穴ボルトを使用して組まれており、基本分解禁止(スロットルバルブ、ニードル付近の精度が崩れる為)となります
そして、フロートバルブが見て頂ければ、判る方もいらっしゃると思います
PWK28のフロートバルブは一回り大きいのが装着されておりますし、ましてはボディー側のフロートバルブが入る箇所に正規品は真鍮が打ち込まれていませんし(OKOは正規品と同様の仕様です)
正規品のフロートバルブは、バルブ自体にフロート箇所に引っ掛ける金具が有りますが、このキャブのフロートバルブは、仕様から押し上げる方向にしか動きません
右が正規品、OKO製のフロートバルブ、左がこのキャブレターに装着されている物
サイズも小さいですので、ガスの流量にも影響が出るかと思います
因みにこのフロートバルブは私的に何処かで拝見した事のバルブかと思いました
それはぁ~
もうパクリ万歳のキャブなのは理解出来たかと思います
エアスクリューです
上がこのキャブレター用、下がOKO製
上のスクリューはOリングが欠品してるのかと思いますが、全く同じ物です
正規品は、形状の違いが御座います
アイドルスクリューです
上はこのキャブの物、下がOKO製
上の物は若干先を加工してる感じですが(スクリューを回転する際、帳尻を合わせる為に前オーナーが加工したと思われます)、同様の物かと思います
正規品の旧型のPWK28(鉄スクリュー仕様)の物は、似てはいますが、若干ノブ部分の寸法が長めに設計されておりますので、旧型を見た事が有る方ならこの辺でも違和感の有るキャブかと思うかと思います
スロットルスプリングも正規品の物と色合い、ピッチ等も違います
ニードルに関してはセッティングの際、前オーナーが交換してる可能性も有りますので何とも言えませんが、鉄スクリュー仕様の旧タイプのPWK28と言う前提で考えますと、デフォで装着されているニードルはN68Aなのですが、こればN80シリーズ(樹脂スクリュー仕様に変更後少ししてから、別番でリニューアルしたニードル)ですので、ここも違和感の感じる箇所かと思います。
現行PWK28(MⅡ等)はデフォのニードルはN80Fです
フロートも違いが御座います
これは京浜純正品です
金具部分にKの刻印が有り、浮き部分にはアルファベット、数字が1個ずつ打たれて折ります
これはOKO用です
OKOは金具部分には刻印は無いですが、浮き部分に正々堂々と刻印を打って有りますww
そしてこれがこのキャブに装着されていたフロートです
金具部分フロート部分に刻印は無く、フロート右側が若干歪んでいます
ですが、OKOとこのキャブのフロートの共通箇所を見つけました
左がOKO用、右がこのキャブ用
側面に正規品には無い刻印が、両者には有り、似た様な刻印がされておりますので、製造元は同様なのが判りました
スロットルバルブのボディー側の稼働部分です
やはり雑な作りで(OKOキャブの方が全然作りが良いレベル)、ボディーのカッタウェイ付近には打痕も見受けられます
内部はご覧の通り雑なボーリング加工仕上がりで、この状態で使用しようとは思わないと思います
この様にボディー部分の刻印までパクったキャブは今現在は新品では流通されておりませんが(有る意味希少)、昔コピーが出始めた時に少しの間製造されていたのを私は記憶しております
ですので、私の今まで見て来た経験から、チョイと記事に致しましたが、PWK28を中古で入手する際、気にしながら購入致しますと無駄が無いかと思います
でわでわww