☆★ミッションギア交換的なぁ~☆★グランドアクシス


先日、以前から依頼が有ったミッションギアを5FA純正から4VP純正に交換したいと言う事で、今回作業致しました♪

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基本、ノーマルに近い状態で、駆動系のみ交換(90用横○、キ○コPD3用フェイス(5FA、4VP用)、5FA純正ベルト、3AA純正トルクカム改、K○製補修用クラッチ(3枚)、5FA純正クラッチアウターって感じです

マフラーはこの車両は5FA2以降の車両ですので、5FA1純正マフラーに交換済みです

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まず、駆動カバーケースを取り外しましたが、まあまあ汚い状態でした(汗

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ドレンボルトを取り外し、ミッションオイルを抜き、ミッションケースカバーを取り外しましたが、何やら違和感がぁ~

それは、セカンダリーギア部のコニカルスプリングワッシャーとワッシャーが装着されておりますが、これが裏表逆な上、ギアに組み込む際の順番も逆になっておりました(汗

もう何台か、この作業を行って来ましたが、5割くらいの確立で、ここの組み込みがSTD状態で組まれていない車両が今まで有りましたので、今更驚きはしませんがやはり、この状態で走行していますと、ギアの当たりも変化して、シャフトがベアリングに対し真っ直ぐ回転出来ずに、ベアリングの寿命が短くなり、更にその事により鉄粉、アルミ粉が出て、2次災害的にベアリングが破損致します

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依頼主さんは去年の6月頃、某ショップでベアリング交換をした見たいですが、見積書を拝見致しましたが、ベアリングは全て純正で注文している形でした(部品番号から判りました)

お高いニードルベアリングのみ交換はしておらず、その他の5個のベアリングは純正品で組み込まれててる様でした

ですが、ホイール側のファイナルギアシャフトのベアリングは所謂TPI製(STDに組まれているベアリング(でしたが、交換頻度が多いベアリング(6203)は何故かナチ製の物が組まれておりました(今現在はTPI製では無く、ナチ製に変更されたのでしょうかねぇ)

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後は、良く見ていただけると判りますが、ニードルベアリングが若干キチンとインストールされていないみたいですが、依頼主さんにお聞きいたしましたが、ニードルベアリングは交換した事が無いという事でしたので、1度も交換していないと言う事で考えますと、原因は、セカンダリーギアのコニカルスプリングワッシャーとワッシャーが逆組みだった事により、ニードルベアリングを見て頂けると判りますが、表面に擦れた傷が確認出来ますので、走行時、ワッシャーがミッションカバー側に干渉しており、熱が発生してケースが膨張気味になり、恐らく少しずつ抜けて来たと思われます

上が取り外した直後の状態、下が修正後

修正は、取り合えずカバーを有る程度洗浄して、その後ニードルベアリング付近を熱して、膨張を利用して、17mmソケットを台座に使用して軽くプラハンで叩き挿入完了♪

ニードルベアリングは、奥の方にアルミ粉が溜まっておりましたが、何とか洗浄して除去して、動きを確認致しましたが、何とか使用に弊害が出る感じでは無さそうですので、このまま使用致します

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そして、ケース側にプライマリーギアが装着されておりますので、抜き取るのですが、シャフトをプラハンで叩いて抜いたのですが、何やらまた違和感がぁ~(汗

プライマリーギア部のベアリングの座る箇所のクリアランス広くなっており、殆ど力を要れずにセパレート出来てしまいました(汗

ベアリング側面を目視致しましたが、ケース内でベアリングが共回りしてる形跡が有りました

5FA、4VPのミッションベアリングの座る箇所のクリアランスは、実は元から他のエンジンに比べ、クリアランスが広めなんです

ベアリング交換の際、キッチリ真っ直ぐインストールしませんと、次ベアリング交換する際、↑で記載した様に現象が発生する恐れが高いです

ですので、ミッションギアカバーも実はマイナーチェンジされて対策されており、プライマリーギア部のベアリングが抜けない様に、50エンジンや3WF等と同様にボルトとワッシャーを使用して抜け防止対策が追加されております

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プライマリーギアを5FA純正から4VP純正(新品)に交換致します

ベアリングはまだ交換して間もないですので、今回は再使用してミッションを組みます

プライマリーシャフトにベアリングをインストール致します

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そして、クリアランスが広くなっていますので、マル秘技を使用して、ベアリングを密着と固定して対策しておきました

オイルシールも今回新品プライマリーギア(4VP純正)に交換しますので、当たりが変りますので念の為、新品に交換致しました

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ミッションケース内を洗浄して、スッキリ致しましましたなぁ~

駆動ケース内もかなり汚れていましたので、序でに軽く洗浄致しました

皆さん、ミッションオイルの廃油はどの様に処分しておりますかぁ~?

私の場合、廃油のミッションオイルは、ミッションケース、駆動ケース、エンジン本体の洗浄する際、ペーパータオルに染み込ませ洗浄いたしております

油汚れは、油で落とすのが一番綺麗になります

ですので、廃油もキチンと有効利用していたりします

仕上にパーツクリーナーで拭き取ります

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これは5FA純正ファイナルギアです

5FA純正にはコニカルスプリングワッシャーが追加されております

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左が5FA純正、右が4VP純正

ファイナルギアの厚さが違うのが判りますかぁ?

アクスルドライブシャフトは5FAも4VPも共通部品です

アクスルシャフトにファイナルギアを差し込みますが、5FA純正用にはコニカルスプリングワッシャーが追加されており厚さが薄い為に対応されてると思われます

ですので、5FA2以降の車両に4VP純正ギアに交換する場合、このコニカルスプリングは取り外し、4VP純正品に交換しませんと、クリアランスの帳尻が合わなくなります

無理やり装着して組み込みますと負荷となり、最悪ベアリングが破損致しますので、交換時には注意が必要です

5FA純正はヘリカルギア(斜歯歯車)ですが、4VP純正はスパーギア(平歯車)仕様となります

ヘリカルギアの方が、ギアの歯当たりが分散され、スパーギアに比べギアのかみ合いが良く、強度も優れており、音の静かな歯車なります

5FA純正ギアは全てヘリカルギアの構成ですが、4VP純正ギアはプライマリギアと、アクスルギア(大きいギア)はヘリカルギア仕様(5FA純正とは違い、歯車の溝の向きが違います)で、ファーストギアとアクスルギア(小さいギア)はスパーギア仕様です

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4VP純正ギア(セカンダリー、ファイナルギア)です

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セカンダリー、ファイナルギアを取り付け、ガスケットを合わせました

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セカンダリーギア箇所に収まるワッシャー、コニカルスプリングワッシャーは写真にお通り、セカンダリーギア側にコニカルスプリングを組みますが、中心部が膨らんでる側がギア側に差込、その後平ワッシャーを入れる形で組み込みます(逆組み(裏表も逆も)致しますと、セカンダリーギアが遊ぶ上、ワッシャーでミッションカバー側を削ってしまい、そのアルミ粉がお高いニードルベアリング部に入り込み、2次災害的に弊害、破損及ぼしますので、組み込みの際細心の注意が必要です)

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ミッションカバーを組み込みボルトを締めた後、規定量ミッションオイルを入れ(110cc)、プライマリシャフトを回してみましたが、変な抵抗も無くスムーズに回転しておりますので、問題無く稼動致しています

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後は、セカンダリ周りを組み、依頼主さんが「たまにアイドリング時、プライマリ周りからカラカラ音が発生するのですが、何が原因でしょうか?鳴る時と鳴らない時があるんです」と言う事ですが、恐らく、この駆動ケース内の汚れからすると、セルギア周りの汚れにより、セルクラッチの3つの内も1つのピンがセルにてエンジン始動時、始動後も正常の状態ですと、セルクラッチは1WAYですので、セルギアに食い付きクランクを回してエンジンを始動して、始動後はセルギアは離れますので、回転は止まりますが、セルクラッチのピンがエンジン始動後でも動きが悪い事で、戻りが悪くエンジン始動後もセルギアが回転もしくは干渉して音が出てると思いました

ですので、まずプライマリ周りを外し、セルクラッチも取り外し確認致しましたが、かなりベルト粕がこびり付き、動きが悪くなってる状態でしたので、十中八九ここが原因かと思います

セルクラッチを分解して(ピン、スプリング、シート)パーツクリーナーで丹念に汚れを落とし、再度組み込み、プライマリ周りを組み込みエンジン始動致しましたが、やはりココが原因で音が発生していたみたいです

まぁ~多少の事かとお思いますが、抵抗になりますし、セルクラッチと、ギアの間で焼き付きを起すなんて事も考えられますので、やはりまずは、チューニングも良いですが、各部の点検、洗浄してその後、チューニングに取り掛かった方が良いかと思います

依頼主さんには、取り合えず後でご自分で駆動ケース内を(特にプライマリ側)を洗浄した方が良いかと言う事を言っておきました

でわでわww